みんなに勇気を与え続けるベストマラソンランナー5人

マラソンランナーにとって、血液が心臓から全身に押し出されるのを感じ、自分の限界と戦うことは喜びでもあります。もちろん、マラソンランナー全員が尊敬に値しますが、中には、他の走者をインスパイアする伝説的なマラソンランナーも存在します。ここでは、マラソン界のレジェンド5名をご紹介していきます。

  • ハイレ・ゲブレシラシエ(エチオピア)

現在、エチオピア陸上競技連盟の会長を務めるハイレ・ゲブレシラシエは、陸上長距離界における現代のグローバルレジェンドです。20年以上にわたるキャリアの中で、数多くの驚異的な記録を残してきました。

1996年および2000年のオリンピック10,000m走では、金メダルを獲得し、27の世界記録を保持しています。2001年にはハーフマラソン世界選手権で優勝し、9つの主要なマラソン大会でも優勝しています。さらに、35歳にして2008年のベルリンマラソンで2時間03分59秒の世界新記録を樹立。間違いなく、史上最高の長距離選手の一人でしょう。

  • アベベ・ビキラ(エチオピア)

裸足で走りながら世界新記録を樹立すると同時に、オリンピックのマラソン競技で2度の優勝を果たし、初の金メダルを獲得したことで有名な選手。1964年の夏季オリンピックでは、マラソンで史上初の王座防衛に成功したうえ、世界記録を更新しました。

1965年に公開されたドキュメンタリー映画『東京オリンピック』では、1964年の東京オリンピックで優勝したアベベの姿が描かれています。その影響は大きく、アディス・アベバのスタジアムは彼の名にちなんで付けられたほどです。

  • ウィルソン・キプサング・キプロティチ(ケニア)

10km走〜マラソンまでの長距離走を得意とするケニア人ランナー。フルマラソンで2時間5分の壁を5回も破った史上初のランナーとして記録を持っています。

元世界記録保持者で、ベストタイムは2013年のベルリンマラソンでの2時間3分23秒。それ以前には、2012年のロンドンオリンピックで銅メダルを獲得し、オリンピックでもその名を轟かせました。その後2014年には、ロンドンマラソンで2時間4分29秒という大会記録を樹立しています。

  • デニス・キプルト・キメット(ケニア)

2014年のベルリンマラソンで記録した2時間2分57秒のタイムで現在のマラソン世界記録を保持している、32歳のケニア人ランナー。2008年にマラソンのトレーニング合宿に参加する以前は、トウモロコシを栽培したり、牛を飼ったりと農業を営んでいたそうで、貧しい出自が伺えます。

しかし、トレーニング合宿に参加してからは、農業の仕事をすべてストップし、フルタイムでトレーニングやレースに専念するようになりました。飛躍の一年となったのは2013年。2月23日の東京マラソンで2時間6分50秒の大会記録で優勝したうえ、10月13日のシカゴマラソンでも2時間3分45秒の大会記録を更新し、世界トップクラスのランナーとみなされるようになりました。

  • ポール・テルガト(ケニア)

2003年〜2007年まで2時間4分55秒というマラソン世界記録を保持し、最も優秀で影響力のある長距離ランナーの一人とみなされているポール・テルガト。ラテンアメリカ最大の大会であるサン・シルベストレ国際マラソンで優勝し、5連覇を達成しました。

その結果、ネルソン・マンデラに次いで、ブラジルで最も知名度が高いアフリカ人でもあります。また、マラソン以外にも、IAAF世界クロスカントリー選手権で5連覇を達成しており、大きな功績を収めています。